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ポンテの革について・・その③ ピットとドラム

<ピットとドラムについてのお話>

前回、タンニン鞣しとクローム鞣しを簡単に説明しましたが、今回は「ピット」と「ドラム」のお話です。
さらにマニアックな話です。興味のある方のみ読んで下さい。

Ponteではごく一部を除きフルベジタブルタンニン鞣しの中でもピット製法で鞣された革を使用しています。

は?ピット?なんのこっちゃ?な方、今回も簡単に説明します。
タンニン鞣しの中でも「ピット」を使う鞣し方と「ドラム」を使う鞣し方があります。

「ピット」とは大きい浴槽、プールみたいなもんです。
その中にタンニンの液が入っています。
その中に皮を入れ、じっくり時間をかけて漬け込みます。
昔ながらの製法です。

「ドラム」とは大きい樽みたいなもんです。
業界ではタイコとか言います。
巨大な樽型洗濯機みたいなイメージです。
その大きな樽がすごい勢いで回っていて、そこに皮とタンニンの液が入っています。
タンニンを短時間で強制的に叩き込みます。
近代的な製法です。

「ピット」は「ドラム」に比べると時間をかけてゆっくりなめす為、皮への負担が軽く済みます。また、じっくり鞣しているのでタンニンが革の中まで染み込んでます。
という事は、繊維が崩れていなくて、固くて丈夫な革という事です。

フルベジタブルタンニン鞣し ピット製法の革財布

フルタンニンでしかもピットの革って、いいね!って感じですが、「ピット」は大きいプールが場所をとるし、濃度の違うタンニン液に順番に漬け込んで液を染み込ませます。ですので、確かな技術と広大な敷地と時間が必要です。
めちゃくちゃ納期とコストがかかります。
<なめしのお話>を読んでくれた方はピンとくると思いますが、業界では「ドラム」が主流です。なぜか?そうです、、安くて早いからです。。大量生産、効率主義の時代ですもんね。
「フルタンニン」や「ピット」に拘っていたら、会社としてやっていけない時代なんでしょうね。
「ピット」をやってるタンナーさんは本当にレアです。
革の本場イタリアでも「ピット」はもうほとんどやってないみたいです。

断っておきますが、クローム鞣しやドラム製法が悪いとは言っていません。
固くて使いにくい革を、最初から柔らかくて使いやすく、しかも安く、早く提供したい。
クロームもドラムも、タンナーさんの企業努力の賜物だと思っています。

しかしPonteでは時代の流れに逆行するかの如く、昔ながらのフルタンニンの「ピット」で鞣された革を使用しています。

市場には、ほとんど出回っていない革です。

重いうえに最初は固くて使いにくい、傷やシワも入っていて、水にも弱く傷つきやすい。ですが、革本来の魅力が詰まりに詰まっている。
視覚だけでは決して分からない、永年使ってみて初めてその良さが分かる。
何よりそこには動物の命があったんだなという事が感じられると思います。
Ponteではそういう革を使っています。

簡単にしか説明出来ていませんが、Ponteの革について何となーく理解して頂けたら幸いです。

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Ponte外観

備中国分寺五重塔が望める絶好のロケーションです。

吉備路もてなしの館からのPonte

吉備路もてなしの館の第2駐車場に面したグレーの建物です。

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